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by TANOKURA

2021.02.15

走る大容量蓄電池?!車から自宅に放電?『V2H』システムとは?~エコカー(EV&PHV)の新しい可能性~

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いきなりですが現在、世界中で「車の電動化」が急速に進んでいることはご存じでしょうか。先進国では「2030~35年にディーゼル車は撤廃」政策が打ち出されております。皆さんの私用車が「EV車やPHV車」という方はどのくらいいるでしょうか?ちなみに私の私用車はどちらにも当てはまりませんが、この先10年余りで、「EV車やPHV車の普及」は急加速していくでしょう。電動化が進む背景には人類の『温室効果ガス(CO2)の排出量問題』が関係します。さて世界中でCO2を減らす『脱炭素化』が進む中、炭素を出さずに走る車(EV車)を作るだけではなく、電気自動車の新しい可能性として、『V2H』が注目されています。電気自動車(EV車)に蓄えた電力を家庭用電源としても使用できる給電機能も備えるようになり、家庭でも『脱炭素化』に取り組む動きが近年みられます。今回はそんな『V2H』というエコカーを使った電力供給・蓄電システムについてまとめていこうと思います。

『V2H(ブイ ツー エイチ)』とは?

「EV車やPHV車を賢く利用できるシステム」

『V2H』とは電気自動車(EV車)に充電ができるだけではなく、貯めた電気を自宅に放電することもできるシステムで、Vehicle to Home(ヴィークル トゥ ホーム)の頭文字をとって、『VtoH≒V2H』と呼ばれています。簡潔に言うと、『電気自動車(EV車)』と『住宅』を結ぶ製品が『V2H』です。太陽光発電システムとの連携も可能な、まさに「次世代型の蓄電池システム」です。ただ一点、勘違いしやすいですが『V2H』自体には蓄電システムは搭載されておりません。電気自動車があって始めて利用できるシステムです。

エコカーの新しい可能性~走る大容量蓄電池システムの実現~

今までの車(ディーゼル車やハイブリッド車)は、人や物を運ぶための移動手段として使用する他に使用用途はありませんでした。2010年から日産リーフが登場し、近年、より環境に優しい電気自動車が日本国内でも少しずつ普及しています。そこに拍車をかけるように『V2H』システムが登場し、電気自動車と自宅を結ぶシステムが実現しました。さらには温室効果ガス排出量削減の背景もあり、諸外国の自動車メーカーもこぞって「電気自動車(EV車)へのシフト転換」を進めております。各業界の『省エネ』は大きな変革期に突入したといっても過言ではないでしょう。自動車の概念も大きく変わりました。今までは人・物の移動手段でしかなかった自動車が、『V2H』によって、走る大容量蓄電池へと変わったのです。今後は自宅での『脱炭素化』から『V2H』システムは増々注目を浴びていくことでしょう。

 

※『V2H』の対象となる車種は「電気自動車(EV車)」の他に、「プラグインハイブリッド車(PHV車)」や「水素自動車(FCV車)」が該当します。

『自家消費型太陽光発電』と『V2H』は相性抜群の組み合わせ!

蓄電池にためておける電力は、電気会社から購入した電気はもちろんですが、太陽光発電で創った電気もためておくことができます。「売電型太陽光」では全量売電してしまって太陽光の電気をご自宅で使用することはできませんが、「自家消費型太陽光」なら太陽光発電で創った安い電気を使える他、災害時も自然エネルギーで生活が可能なため、太陽光発電との併用も注目されはじめています。『V2H』は家庭用蓄電池の代用として電気自動車を活用するためのシステムですので、基本的な使用感は家庭用蓄電池と遜色ありません。

 

蓄電池を自宅に導入するメリットや、なぜ「売電」ではなく「自家消費型太陽光」が注目されているのか。

別コラムにて紹介しておりますので、こちらもぜひご一読ください。

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『V2H』を導入するメリット

メリット①~ハイスペックなシステム~

Ⅰ.充電時間

急速充電器の充電時間は圧倒的ですが、その反面、充電費用が非常に高い(普通充電の2~3倍の値段)点や、急速充電をする機会自体あまりないので、ピンポイントで急用の場合に使用する程度ではないかと思います。電気自動車をご自宅で充電する場合、昼間は太陽光発電のお得な電力が充電可能で、夜間でも一番安い「深夜電力」の時間帯に充電すれば最も経済的に充電が可能です。さらには、『V2H』を導入することによって太陽光発電の稼働時間帯または深夜時間帯での「フル充電」が可能でになります。

Ⅱ.走る大容量蓄電池

業界最大クラスの家庭用蓄電池でも12~16kwh。平成31年3月環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査」地方別世帯あたり年間電気消費量から算出した1世帯あたりの一日の消費量電力の全国平均は11.8kWh。最大クラスの蓄電池を導入しなければ1日の消費量を賄うことができません。それに比べ、『V2H』を導入し電気自動車を蓄電池として活用した場合、蓄電池の容量は「62kWh」にもなり、「最大で約4日間」電力を賄うことが可能です。災害時のライフライン遮断が長引いた際には、特に恩恵を受けられるでしょう。

 

日産リーフe+ 内臓バッテリー「62kWh」の場合で計算

メリット②~災害(停電)時も電気を使った生活を送れる~

EV

『V2H』を導入することによって、家庭用蓄電池と同様に、台風や地震などに被災した際に起こる停電時、電気自動車からご自宅に電気を送ることができるので、不自由なく生活ができます。「これで停電時も安心。」と思うかもしれません。しかし、電気自動車(EV車)だけの場合、車内搭載の蓄電池には容量に限界があります。その充電量が底をついてしまえばそこからは電気のない生活です(※1)。そこで、先にも挙げた『自家消費型太陽光』が役に立ちます。昼間は太陽光発電で電気を創ることでご自宅に電気が通ります。電力があまった場合は電気自動車に搭載の蓄電池に充電することができます。充電し

た電気は太陽光発電が不可能な夜間に使うことで、数日間の停電でも安心して暮らすことができます。『V2H』を導入することで、停電時も『太陽光発電と電気自動車(EV車)』は相性抜群なので、普段と変わりない生活を送りつづけることができる点は大きなメリットですね。数日が経ち、電気自動車で停電から復旧しているエリアができれば、そのエリアに行くことで電気自動車に充電ができ、その電気を自宅に持って帰って使うことができます。「移動手段」がある強みは家庭用蓄電池との大きな違いであり、メリットです。

 

<※1>電力会社から電気を買って充電することも可能。

V2H』の機種によっては、災害時、太陽光からの充電ができない機種もあります。また、現時点で『V2H』に対応していない車種もありますので注意が必要です。設置をご検討の際にはあらかじめ車種と性能について相談するとよいでしょう。

いくら「不自由なく生活を送れる」からと言って無駄使いは禁物です。本当に電気が必要となる時間帯は「夜間」。太陽光がある時間帯でいかに充電し、夜間に適材適所な電力使用ができることが重要なポイントですね。

引用:【リーフ】その時 #電気自動車 だからできること (EV for Resilience)

【Youtubeチャンネル】日産自動車株式会社

【参照HP】日産リーフ[LEAF]蓄電池利用

メリット③~経済的な恩恵を受けやすく、電気をあまり買わない暮らしは地球にも優しい~

圧倒的大容量によるコストパフォーマンス

電気自動車と家庭用蓄電池を比較したときに、同容量の蓄電システムを導入しようとした際のコストパフォーマンスが圧倒的です。そこに加えて電気自動車はその名の通り「自動車」です。移動手段としての役割も兼ね備えている点を見ると、大きなメリットですね。

『自家消費型太陽光』との併用で電気をあまり買わない暮らしへ

『自家消費型太陽光』との併用で買う電気を抑えることができます。電気代が一番安価な深夜帯は電力会社から電気を買い、昼間は太陽光で創った電気で賄う。その際の余剰電力は電気自動車へ充電し、夜間は日中ためておいた電気を放出し買う電気を抑える。すると「電気をあまり買わない暮らし」が実現できるので、お財布にもいいですね。

 

また、日本の電力会社は電気を火力発電に頼っているのが現状です。家庭の電力消費量が増えると、電力生産量も増えるので石炭を燃やした際に「CO2」が発生します。自然エネルギーで生活する家庭が増えることで地球環境を守ることに直結するのです。

さらに、太陽光発電で創った電気で自動車を走らせた場合、ガソリン車と比較すると走行距離で違いがあり、経済効果(燃費削減効果)があります。また、太陽光で創る電気は電気を電力会社から買った場合に比べてどれだけ安いのか。詳しくはこちらのコラムも併せてご覧ください。

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『V2H』を導入する際の懸念点

バッテリーの劣化

スマートフォンを例にするとわかりやすいかと思いますが、日中はSNSやインターネットに娯楽、電話メール等々で電気を消費し、夜間に充電。を毎日繰り返すことで少しずつバッテリーの最大容量が減っていきますよね。電気自動車もバッテリーなので、同じように毎日ご自宅で充放電をくり返すことによる経年劣化はどうしても避けては通れない懸念点。スマートフォンの効率の良い充電方法でも言われるように、常に充電をするのではなく、一定の残量を減らしてから充電をすること()が蓄電池(バッテリー)を長持ちさせることにつながります。電気の残量を気にするようになれば、自然と節電にも取り組めると思います。

 

例:80%残量があるうちに充電を開始するのではなく、残量が20%あたりをめどに充電を開始する等

インフラが整備されるまでは不安点も

日本では2030年をめどに電気自動車の普及率目標を「30%に」と掲げております。ただ、現時点ではインフラの整備が追い付いていない場面や電気自動車自体の価格帯が少し高価だと感じる方もいるのではないでしょうか。実際、私自身も「少し高いな。」と思ったのが率直な意見です。そこを見るとデメリットに感じてしまうでしょう。ただ世界の動向や今後の予想を鑑みると、時間が経つにつれ、電気自動車がスタンダードな時代に突入していくことは間違いないと思います。充電スポット等の交通インフラに加え、価格帯も手頃な価格となれば、『V2H』の導入件数も一気に増えそうです。

 

【参照】経産省_動⾞新時代戦略会議(第1回)資料

まとめ

電気自動車を『V2H』のシステムを導入して家とつなぐことで、普段使いの移動手段の他に、停電時の貴重な電力源にもなります。そのうえ導入費用のコストパフォーマンスも非常に高く、併せて電力使用量も抑えられるので経済的にも良いです。家庭用蓄電池と比較しても容量の大きさは一目瞭然です。太陽光発電を既に設置済で「卒FIT」をむかえる方はもちろんのこと、「自家消費型太陽光」を導入されている方にも 『蓄電システム』導入をお勧めします。また、家庭用蓄電池を設置する場合と比較したとき、現時点では購入費用は割高ですが、普段使いで移動手段としても使えることを考えれば、蓄電池を設置していないご家庭や、新車購入を検討している方にとっては、EV車の購入によって「蓄電池+車両」に対応可能な『V2H』システムは一つ魅力的だと思います。

原田

いえすたいる編集部

KAKUTO

「翔斗」と書いて「かくと」と読むサッカー大好きマンです! これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら頑張って更新していきます!

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